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2011年2月6日日曜日

フィージョアの思い出

2007.12 記


夫がニュージーランドに留学中のことです。暇だった私は、週末、実験をする夫について
大学に行ったことがあります。

夫の実験を手伝っている(邪魔してる?)間に、トイレに行きたくなって研究室を出たのですが、建物が何せ暗い上に入り組んでいたので探せずにいました。

そこへ、白髪交じりのおかっぱ頭をしたちょっと怖そうなおじさんが通りすがったので、「トイレはどこですか?」と聞きました。そしたら、とても優しい笑顔になって、わざわざ近くのトイレまで連れていってくれたのです。急いでいたのでほんとに助かりました。

そのおじさんは、よれよれの半ズボン姿で片手に薄汚れた‘風呂敷’包みを持っていてました。そのことを夫に報告すると、なんと、その人は Mathew 教授といって王室アカデミーから賞をもらったという有名な研究者だったのです。恐れ多くもそんな方に私はトイレに連れていってもらったのです!私がTaboの妻だと知ってからは、顔を合わせるといつも「あたなは、Tabo(夫の向こうでの愛称)のいい助手だね」と言ってくれました。

夫が研究室のセミナーで、間違った英語の使い方をしたことがあって聞いていた人達に笑われたそうです。その時、Mathewさんが、夫に「みんなに代わってこめんなさい」と謝った後、みんなにこう言ったそうです。「あなた達は、日本語を話せるのですか?Taboは初めてのセミナーで英語で発表しているんですよ。誤りを笑ってはいけません」

ある時、夫が昼食をとっている時、近くにいたMathewさんが見たこともない果物を山ほど食べているのを見て、それは何かと聞くと「これを知らないのか?食べてみなさい!おいしいから」とその果物をわけてくれたそうです。お土産にもって帰ってきてくれたその果物は「フィージョア」と言う名前で、何とも言えないさわやかな香りのするあまずっぱーいものでした。食べた瞬間から、わたしは夢にまで見るほど大好きになりました。

そのフィージョアの木が、今わが家の庭に枝もたわわにたくさんの実をつけています。ある人に日本でもフィージョアが育てられることを聞いて、数年前に植えました。今年は大豊作!毎日、ちょうど食べごろのフィージョアを探しては、むさぼっています。

私のこの世で一番好きな果物!それは「フィージョア」
いつ食べてもMathewさんの優しい思い出がいっぱい詰まっているからです。
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